サスケ君が、眠っておきなくなりました。
カカシ先生が、眠っておきなくなりました。
ナルトは、伝説の三忍のひとりという人と、どこかへいってしまいました。

わたしは、木の葉の里でひとりぼっち。


蚊帳の外。




「おはよう。」






イノの実家の店でお花を買いました。
イノは、なぜか一緒に病院へいこうとはしませんでした。
これから任務をすると言っていました。
木の葉の里は、火影様が亡くなってから忙しくなりました。
いろいろ、他の里や大名たちへの面子とかの事情で、忍びはみんな忙しいです。
でも、7班はばらばらだから、任務はできません。
わたしも、なにかしていたかったけど、他の先生も忙しいみたいです。
だからわたしは、カカシ先生とサスケ君を見舞う毎日。
午前中に病院に来て、おととい持ってきた花を処分して、新しい花を生けます。
あとは、サスケ君の顔をずっと見ています。
晴れの日も、雨の日も、曇りの日も。
紅先生と、ガイ先生が、サスケ君とカカシ先生を病院に連れてきたそうです。
なにがあったのか、知りたかったけど、誰に聞いても教えてくれません。
ただ、アスマ先生がこっそり教えてくれました。




"ナルトはサスケを助けてくれる人を探しに行ったんだ"







ナルトは、凄いな。
落ちこぼれのどべだったのに。
今はもう、わたしのずっと前を歩いている。

今は、私の方がどべ。全然いいとこなし。
我愛羅という砂忍に捕まって、みんなの邪魔になっちゃった。
助けてくれたのは、ナルトなんだって。
必死で、死に物狂いで助けてくれたんだって。
ナルトは凄くぼろぼろで、サスケ君もぼろぼろだった。

決意したのに。

誓ったのに。

彼等は、わたしが追いつこうとすればするほど、遠くなる。





わたしの背中をみるひとは、誰もいないのかな。








力なく落ちた片手に、そっと触れて見る。

いつもはできようもないことも、サスケ君は拒まない。

怒ったり、知らんフリしたり、しない。
閉じたまぶたには、くっきりとしたくま。
嫌な夢でもみてるのかな。
時々、凄く苦しそうな顔をしてうめくけれど、目覚めない。

生きてる証拠。
時々死んじゃったんじゃないかって凄く怖くなる。

でも、彼が苦しむから、安心するの。

白い手を握ってみる。
冷たい指先。でも、ちゃんと温もりはある。
片手でさする。
ほおずりしてみる。






サスケ君は拒まない。

サスケ君は照れない。

サスケ君は、起きない。










ごめんね。



ごめんね。



わたし、なにもできない。
あなたのために、なにもできない。



どうして。どうして。どうして?




どうしてあなたはそんなに苦しんでるの。
どうしてわたしはあなたを支えられないの?

どうして。







唐突に強い風が吹きました。
開け放った窓の白いカーテンが、おおきく踊るように翻りました。
渇いた音を立てて、なにかがあたまにあたりました。
小さく軽いものは、繋がった手にあたって白いシーツの上に落ちました。
ちいさな枯れかけた木の葉でした。
ちいさな木の葉は、涙を吸いとって、少しだけみずみずしさを取り戻しました。
握った手が少し動いた気がしました。
はっとみやるけれど、彼はなにもかわりません。

でも。





ごめんね。



ごめんね。




サスケ君が起きた時、横でめそめそしてたら、またウザイって言われちゃうよね。
サスケ君が起きた時、わたしは横でにっこり笑っていよう。
まっさきに「おはよう」って言ってあげるんだ。
それでね、少しでも強くなっているんだ。
わたしも、頑張って、強くなるから。
みんなに置いて行かれない様に、強くなるから。

そうしたら、また、馬鹿みたいな話をしながら任務をしよう。
ナルトが馬鹿言って、私が突っ込んで、サスケ君が最後を締めて、カカシ先生がそれを諌めるの。



また、前みたいに。






そっと彼の右手を握り締める。

視界がまだにじんでいるけどサスケ君の顔をのぞきこむ。











ねえ、サスケ君











おきて。









ねえ。







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